コラム
参加者発言型の研修で大事なこと|nibloomコラムvol.31
普段の事業とはまた違う活動の話なのですが、先日福岡市内で開かれた「#ライター交流会」というイベントに進行役や運営もろもろで関わりました。
ライターや編集者などコトバを生業としている人を中心に30名ほどが参加。メインコンテンツは「お悩み相談」ということで、事前に参加者から寄せられたさまざまなお悩みについて他の参加者や主催者が答えていく、というものでした。
日頃私がやっている研修やセミナーとはひと味違うもの…でありつつ、参加者発言型の研修に通じるところがいくつかあると感じたので、そんなポイントをまとめておきたいと思います。
■タイムマネジメント
講師が一方的に話すスタイルの講義と異なり、参加者発言型の研修は「誰がどれくらい話すか」が事前に確定しないため、タイムマネジメントの難易度が格段に上がります。完全な「ぶっつけ本番」では時間管理ができず終了時刻を大幅にオーバーしてしまうこと必至。だからといって事前にガチガチに台本をつくると、参加者の自由な発言やシナジーが生まれず参加者発言型の有意義性が半減してしまいます。
こんなとき北村は、事前にタイムスケジュールを立てる際に「トピックごとのタイムリミット」だけざっくり決めておきます。「このトピックは遅くても〇時〇分までに終わればOK」という感じですね。1つのトピックで少し時間オーバーしてしまっても、その後どれくらい調整すれば巻き返せるかわかりやすいので、最終的に終了時刻を大幅に過ぎてしまう事態は避けられます。さらに、少しバッファを設けてスケジューリングしておけば(例:120分の研修なら110分で終わる予定にしておく)安心です!
■ファシリテーション
参加者発言型の研修あるあるとして「なかなか誰も発言しない」「発言者が偏る」といったことが挙げられます。対処法として有効なのは、講師(進行役)が「発言を引き出す手法のバリエーションを持っておく」こと。例えば発言者が偏っているときは「皆さんの中で〇〇を経験したことがある方はいますかー?」と投げかけて参加者に手を挙げてもらい、手を挙げた人の中から何名か(それまで発言していなかった人)当てて経験談を話してもらうとか。なかなか発言者が出ない場合は、まず隣同士やグループでそのトピックについて話してもらう、簡単な質問を投げかけてマイクを回して全員に回答してもらうなどすると、参加者にとっての発言のハードルが下がります。他にも、くじ引きで発言者を決めるとか、発言した人に次の発言者を指名してもらうといった方法もあります。
■トラブル対応
イベントや研修につきものなのが、予期せぬトラブル。大事なのは「トラブルを起こさないこと」ではなく(起こるものなので)、起こってしまった場合もできるだけ会の流れを止めないようにすることです。例えば北村は普段の研修で、万が一プロジェクターが使えなくなっても困らないよう配布資料とホワイトボードだけでも研修を進められるよう常に準備しています。また、何らかの事情で大幅に時間が余ったり足りなくなったりした場合に備えて、ワークやゲームの時間で調整できるように流れを考えています。
先日の「#ライター交流会」でもちょっとした機材トラブルがありました。バックアップ用の機材を用意していたのでそれで対処(それでも一部機材が足りず参加者の方に貸していただき感謝)。接続し直している間は参加者さんに発言していただいていたおかげで、会の流れを大きく止めることはしなくて済みました。
イベントも研修も、主催者さんや参加者さんと一緒につくっていくもの。皆さんにとって有意義なものになるためにはどうしたらいいかな? という視点で企画や進行を行なっています。